私のAI朗読記録

AIに書いてもらい、私が読む。

私の書いた怖い話「不安」

最近扁桃炎になってしまい、朗読ができず動画の更新ができなかったので、いつもはAI執筆の物語を私が朗読するのですが、しばらくは私が執筆した物語を合成音声に読んでもらう動画を作ってみました。そこで今回から何回か、私が書いた怪談を紹介していきます。

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「不安」

これは私が中学生の頃経験した不思議な話です。

私は家族に連れられ、夏の間親戚の家にやってきました。

その親戚とはこれまで関わりがなく、今回初めて会いました。

初めての土地、初めての人間にストレスが溜まり、しばらくは気分が悪かったことを覚えています。

気分が良くなり、周りが見れるようになってきた数日後、夜に大人たちがいないことに気がつきました。

当時はまだ中学生ですから、大人の世界と自分の世界は隔絶されています。

私は大人が夜に何をしているのか気になりました。

家の中を探索したところ、大人はどこにもいないようです。

私は外に出てみることにしました。

夏の空気が私を包みます。普段から夜に外に出てはいけないと教わっていたものですから、罪悪感と好奇心で胸がドキドキしました。

 

いざ外に出てみると、昼間とは違い見慣れない気色が広がっています。

明るさだけでこんなにも見え方が変わるのかと驚いたのを覚えています。

大人がどこに行ってしまったのか検討がつきませんでしたが、とりあえず近所の池に行ってみました。

この時はウシガエルなんて知りませんでした。池が近づくにつれ聞こえてくる「グォォ…グォォ…」という音は、本当に化け物がいるのかと怯えていました。

 

池にも大人はいませんでした。他を探さなければなりません。

その時、丘の上の公民館の明かりがついていることに気がつきました。

大人はそこにいるかもしれない。その時はそんな考えしか浮かびませんでした。

丘を駆け上がり公民館まで到着すると、そっと窓から中を覗きました。

 

大人はいました。ですが、みな白い着物のようなものに身を包み、何かを囲んでお辞儀をしていました。

そこで記憶は途切れています。その後のことが思い出せないんです。どうやって大人と合流したのか。気がついたら東京の自宅に帰宅していました。

唯一、音の記憶だけがうっすら残っているんです。でも思い出そうとすると鳥肌が止まらなくて。

 

音というのはモノを認識するのに非常に重要な情報です。

「モー」と聞こえれば牛、「ニャア」と聞こえれば猫、「ワン」と聞こえれば、そこには犬が現れます。

知らない音に触れたとき、脳に情報が足りず恐怖が沸いてきます。

未知は恐怖であり、無知もまた恐怖の材料なのであります。

 

あのときのウシガエルのように未知の情報が、今も私のあの時の記憶を恐怖で支配しています。親はすでに他界しており、あの時行った田舎も廃村になってしまいました。

 

私に残るのはあの時の音の記憶だけです。